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聖夜によせて [雑感]

今日はクリスマスイブ。
言うまでもなくイエス・キリストの生誕の前夜祭だ。

今朝のサンケイ紙掲載の曾野綾子氏のエッセイが興味深かった。
イエスはマリアとヨセフの婚前に生まれた子であり、いわば姦通の子であったという。
氏はそこから、イエスが不義の子として屈辱の人生を歩んだことに言及しておいでだ。
わたしはキリスト教徒ではないし、キリスト教のことも、イエスの事も無学なので、そこから展開される曾野氏の論に言及することは避けたい。

わたしが思い出したのがひさうちみちお氏のイエスに関するマンガだった。
『アポクリファ』収録「ヨセフ」である。
読んだのはもう10年以上前で、手元に本も残っていないので正確な表現ではないかもしれない。

イエスはマリアが婚前に身ごもった子だ。
マリアは処女のまま母となった。
そしてマリアはヨセフと結婚した。
イエスを私生児としないために。
では、結婚後、マリアはヨセフと性交を行ったのだろうか?
否、マリアは生涯処女である。
なぜならヨセフは不能であったから。
不能のヨセフに処女のマリア。そして神の子イエス。
神の子を抱く、歪んだ夫婦のその有り様を見よ。
ヨセフの苦しみを、マリアの痛みを。

もう一度手にとって読んでみたい作品のひとつである。

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「東京都青少年の健全な育成に関する条例」雑感 [雑感]

今日、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」が可決されるらしい。
条例の改正点を確認できたので、思うことをつらつらと書いてみようと思う。

当初の改正案では、青少年を性の対象としたマンガ作品などの販売、頒布、閲覧、貸し付け、または興業の禁止がうたわれていた。
それは表現の自由の侵害であるとわたしも反対に回ったのだが、改正案では青少年への販売等の自粛とされているようだ。

個人的には、性描写の多いマンガ等は18禁指定すべきだと思っている。
性描写を描きたい作者は18禁誌で思い切り描けばいいし、描きたくない作者は一般誌で描けばいい。

性描写を入れると読者の反応がいいという。
推測なのだが、出版社から売り上げのためとして、描きたくない性描写を描かされている作者諸氏も多いのではないだろうか。
彼らをその呪縛から解放し、真に描きたいものを描ける環境を整えてやることも必要なのではないか。

その視点がなければ、漫画家や出版社が反対を叫んでみても一般の賛同を得ることは困難なように思えてならない。
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仮想現実の功罪 [雑感]

東京都の愚条例、青少年うんぬん条例はどうやら可決される見込みらしい。

まったくくだらない条例なのだけれども、条例が提案され、可決にまで至らんとするその過程を検証し、なにがそれを可決にまで至らしめるのかを考えなければ、ただ声高に反対を叫んでみても効果は薄いのではないだろうか。

ひとつには、創作物の人物を、それは創作物であって実在ではありえないと思えず、まるで本当にそんな人物がいるかのように勘違いする人がいること、またそれによる犯罪が起きている事への怖れがあるのではないだろうか。

以前、東京で起こった、女性バラバラ殺人事件もそうだ。
同じアパートに住む女性を監禁して性奴隷にしようと自室に連れ込んだものの、抵抗にあって殺してしまい、遺体の処理に困ってバラバラに刻んだ挙げ句トイレに流してしまった、という事件だ。

遺体を切り刻み、トイレに流しつつ、そのトイレで加害者が用を足していたのかと思うと、その被害女性の無念が思われて止まない。

監禁→性奴隷とかいうものは、AVやAGの世界にのみ存在しうるものであって、現実世界にはありえない。
普通の成人ならそれくらいの判断はつくものだ。
しかし、この加害者は社会人としてこの世にありながらその真っ当な判断さえつかなかったというのはどういうことだろう。

普通の女性は、たとえ軽微なものであっても性被害にあったらひどく傷つくし、まして監禁や強姦などで喜ぶ人などありえないが、それをリアルな動画やゲームで見ているうちに、それが現実にありうるものと受け止めてしまったのだろうか。

映画「アバター」を見た人が、現実世界の醜さに愕然として鬱状態になることがある、というのとどこか重なっていると思うのは穿ちすぎだろうか。

仮想現実と呼ばれるリアルな創作物は、ひとに大きな楽しみを与えてくれるものだ。
ありそうであり得ない世界に遊ぶことは、時に心を奪うほどの喜びを与えてくれる。
が、その反面、それらは現実世界の在りようから目を背け、現実を見誤らせる危険があることを、われわれは今一度鑑みなければならないのかもしれない。

現実は現実、仮想は仮想として捉えなければならないこと。
仮想および創作物は、すなわち作り物であり、また張りぼての世界であり、現実にはあり得ないということ。
しかし、あり得ないからこそそこに無限の楽しみがあるということ。
簡単なようでいて、難しいのだろうか。
タグ:仮想現実
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折口信夫著「死者の書」と牽牛子塚古墳・中将姫のことなど [雑感]

先日、「死者の書」を読了した。
藤原郎女(中将姫)と、悲劇の死を遂げた大津皇子の幻影との魂の交流を描いた深遠な作品。

…とまあ、私の文章力ではなんとも陳腐な表現になってしまう。

実は、中将姫というのは当麻寺にゆかりのある、伝説上の人物なのだが、今までどうもその人となりがうまく掴めなかった。
千巻の写経を行い、蓮糸で曼荼羅を織り上げたという信仰心の厚い女性であることはわかるものの、
なんだか分厚いガラスの向こうに佇んでいるような掴み所のなさを感じていた。
「死者の書」の郎女=中将姫は、大津皇子の執心によって二上山へ引き寄せられ、そこで大津皇子の幻影を見る。
裸体である彼を覆うものをと切望して、蓮糸で曼荼羅を織りあげる。
幻影と郎女の儚くも美しい魂の交流は、高貴であり、かつ官能的でもある。
そして、彼女を支え導く媼や尼たちの姿、ひたぶるに俤人=大津皇子を想う郎女の心根のすがすがしさよ。

折口の紡ぐ美しい日本語に導かれ、心と体をもつ、ひとりの女性としての中将姫が私の心に宿った気がする。

折しも、大津皇子の母、大田皇女の墓所ではないかと推測される古墳の発掘がなされている、とニュースで取り上げられた。
牽牛子塚古墳がそうであるという。
機会があれば、一度尋ねてみたいと想う。

都知事にもの申す [雑感]

今都知事に意見を送ってきた。内容は次の通り。

私は都民ではございませんが、僭越ながら都知事にご意見申し上げます。
都知事が可決なさろうとしている「東京都青少年の健全な育成に関する条例」は、日本文化の発展を妨げるものに他ならないと存じ上げます。
第一に、青少年の健全な育成に、マンガや小説が悪影響を与えているという確証はあるのでしょうか。
第二に、マンガや小説以上に悪影響を与えているものが他にあるのではないでしょうか。例えば、性行為を思わせたり、下着のような衣装を着たアイドルのPVがTVで垂れ流されていることについては如何お考えでしょうか。
第三に、都知事はヨーロッパの規制を見習うべきと仰っておいでですが、ヨーロッパの性犯罪率と、日本のそれを比較なさったことはおありでしょうか。
第四に、都知事の小説と映画「太陽の季節」にある、高校生による飲酒・賭博・性交については如何お考えでしょうか。これも規制の対象となり、販売禁止にすべきではないのでしょうか。
最後に、人権週間の最中になされた、マイノリティの人びとに対する都知事のご意見は、施政者としての資格を問われる内容ではないでしょうか。
今一度、小説家として、施政者としてのご自分を鑑みてはいかがと、意見申し上げた次第です。

なんか言葉足らずだなぁ。
まあどうせ、こんな都民でもない者の意見なんか聞いてはくれないだろうし。
なにもしないで可決を待つのも何なので送ってみた。
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青少年育成条例 [雑感]

いよいよ東京都が青少年育成条例とやらを可決するらしい。
まったくもって馬鹿馬鹿しい。
私は都民はないので、反対署名とかも回ってこないが、なにか行動は起こしたいので、
東京都庁に抗議の意見文でも送ってみようかと思っている。

・青少年の健全な育成に、マンガや小説が悪影響を与えているという確証はあるのか
・青少年の健全な育成に、マンガや小説以上に悪影響を与えているものが他にあるのではないか
 例えば、性行為を思わせたり、露出のひどいアイドルのPVがTVで垂れ流されているのは規制すべきではないのか
・ヨーロッパでの規制を見習うべき、と都知事はいうが、ヨーロッパ諸国の性犯罪率と、日本のそれとを比較したことはあるのか
・都知事の処女作「太陽の季節」は、高校生による飲酒、賭博、性交が描かれているが、これも規制にあたるのではないか

というような内容で送ってみようと思う。

説話的ヒロイン 鉢かづき [雑感]

説話的ヒロインのひとり、鉢かづき(私は不勉強で「鉢かつぎ」だと思っていた)。
悲劇の始まりは、母親に鉢を被せられること。この鉢がどうにもとれない。
母親はその後死亡し、父は後添いをもらう。
この後妻が鉢かづきを厭い、追い出されてしまう。
入水して死のうとするが鉢が浮いてしまって死ねず、三位の中将に助けられる。
中将宅で下女として働いていると、その息子に気に入られ求婚される。
息子の母親は、なんとか息子を諦めさせようと、長男、次男の嫁と嫁比べをさせる。
嫁くらべが翌日に迫った夜、鉢かづき姫の頭の鉢がはずれ、姫の美しい顔があらわになった。
しかも歌を詠むのも優れ、学識も豊かで非の打ち所が無い。
嫁くらべのあと、鉢かづき姫は宰相と結婚して3人の子どもに恵まれ、長谷観音に感謝しながら幸せな生活を送った。(後半はwikiのコピーです)

興味深いのは、入水したが鉢が浮いてしまって死ねない、という妙なリアリズム。
本当は鉢なんかじゃ浮かないけれど。
それとお決まりの、鉢が外れたら美女だった、というところ。
何年も顔を洗ってないんだから、凄まじい汚れっぷりだったろうに、と思うのだが。

長谷観音といえば、中将姫。ちょうど今、「死者の書」を読んでいるところなので、「死者の書」についてもなにか書きたいところです。

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厩戸王子 [雑感]

山岸涼子著「日出処の天子」を久々に読む。
いやもう、おもしろいなぁ。
つらつら考えたことを書こうと思ったけど、長くなりそうなので、また次にします。

愛子様 [雑感]

先日、ご静養に行かれた皇太子ご一家の映像が流れた。
目を引くのは、愛子様のご様子だ。
ふらふらと生気のない歩き方。
ご挨拶の駅長さんに、わずかに首をしゃくるだけで、お言葉によるご挨拶もなし。
駅に着いてから、30分ほど休憩してからのご出立というから、
乗り物酔いとか、眠気によるものとかではないようだ。



つながりって・・・ [雑感]

Windows Liveには「つながり」という項目があって、つながりのある人についての情報などが見られるらしい。
もちろんわたしにはつながりとやらのある人は誰もないし、だれかとのつながりを求めることもない。
現実世界のつながりで充分だからだ。

どうしてネット上で人とつながっていなければならないのだろう?
孤立していてはいけないのだろうか?

無視していればよいことなのだけれども。
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