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恐怖の大王

 わたしが子どもの頃、「ノストラダムスの大予言」なるものが流行した。曰く、「1999年7月、空から恐怖の大王が降ってくる」という有名な文言と共に。
 かつて、米ソ冷戦時代においては「恐怖の大王」は核兵器と言われた。それからオゾン層の破壊に注目が集まると、「恐怖の大王」は紫外線だと言われた。まだ子どもだったわたしは、壁に貼られた20世紀カレンダーの2000年のところを見ては、この年が本当に訪れるものかと嘆息したものだ。
 そして我々は無事に運命の年を乗り切った。
では、恐怖の大王はどこかに去ってしまったのだろうか…?

 近年は、地球温暖化による気温の上昇が「恐怖の大王」と見てもよいだろう。太陽の活動が低くなる時期にさしかかっていると言うが、温暖化と相まってくれまいかと思うほど、今年の夏も暑そうだ。そして、福島からの放射能は、海流と気流に乗って海から、空から全世界に届けられる。これも「恐怖の大王」とみてもいいかもしれない。
 これらすべては人工物と、人類による環境破壊からくるものばかりだ。となると、結局の所「恐怖の大王」のさらに元凶は人類ということになりはしないだろうか。
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