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手間を愛おしむ [雑感]

今日は寒い。
エアコンを付けていても指先が冷えてミスタッチが増える。
そうでなくてもタイピングは上手でないというのに。

指先を温めるべく、白金懐炉に火を入れる。
愛用しているのは「こはる」という銘柄の小降りの懐炉で、今はもう市販されていないらしい。
使い出して、もう5年は経つだろうか。
最初に付いていた袋はもう破れてしまって、市販の懐炉袋に入れている。

蓋と火口を取り、計量したベンジンを注ぐ。
懐炉用ベンジンも売っている店が少なくて、今のがなくなったらハクキンから通販で買うか、ライターオイルで代用するしかない。
ライターオイルは火の点きが悪いので、あまり使いたくないのだが。

火口を戻し、ライターで火を点ける。
火口がもうそろそろ駄目になってきていて、火の点きが悪い。
何度か火口をあぶって漸く点火。
最初は懐炉を直に手に持っていても平気なのに、暫くすると袋越しでないと持てないくらい熱くなる。
使い捨てカイロと違って、外気温が低くても暖かいのが助かる。
釣りや登山をする人がよく使うというのも頷ける。

手首の間に懐炉を置いていると、両手とも暖まってタイピングも少しはましになる。
そして何より、この手間というか、面倒くささが好きなのだ。
普段は、できるだけ面倒ごとは避けていたい。
手間を掛けるのは時間がもったいない。
そう思っているのに、この白金懐炉の面倒くささは苦にならないどころか、楽しいのだ。

白金懐炉を含むベンジン懐炉が、使い捨てカイロより環境に優しいという人もいる。
また、使い捨てよりランニングコストがかからないという人もいる。
確かにゴミは出ないが、数年に一度は火口を替えねばならないとか、部品やベンジンを買うのにいちいち通販しなければならないとか、総合的に考えて環境に優しいとかランニングコストが安いとか、一概には言えまい。

けれど、私にとって手間を掛けて火を入れた懐炉の暖かさは、冬の楽しみのひとつなのだ。

勿論、なんでもかんでも手間を掛ければいいとは思わない。
ましてや自分の楽しみのために他人に手間を掛けさせるのは言外だ。

手間を省くもよし、手間を掛けるもよし―
自分の楽しみの範囲でなら。
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